第47回日本脳神経外傷学会

会長挨拶

会長写真

第47回日本脳神経外傷学会

会長 坂本 哲也

(帝京大学医学部名誉教授・公立昭和病院院長)

 この度、第47回日本脳神経外傷学会を2024年3月1日(金)、2日(土)の2日間、東京の九段会館テラスにおいて開催させていただきます。長い伝統ある学会を主催させていただけることは、わが身に余る光栄と考えております。また、救急医学に軸足を置く会長が本学会を開催させていただくのは2006年の第29回の昭和大学有賀徹教授(当時)、2018年の日本医科大学横田裕行教授(当時)以来となり、大変重い責任を感じております。脳神経外傷に係わる多くの皆さまのご意見を活かし、帝京大学医学部救急医学講座と関連するスタッフ一同で充実した学会開催のための準備を進めてまいりたく存じます。

 今回の学術集会のテーマは「Front line of Neurotraumatology」とさせていただきました。本学会は脳神経外傷に関する医学の促進を図り、広く知識の交流を行うことを目的とし活動しております。脳神経外傷の病態を解明し、質の高い外傷診療を提供するため、頭部外傷データバンク、頭部外傷治療・管理のガイドライン、スポーツ脳神経外傷、外傷性高次脳機能障害など、多くの委員会活動を通しても社会に貢献をしてまいりました。その結果、本学会の設立当時と比べて、脳神経外傷による死亡者数は減少いたしましたが、高齢患者への対応などまだ多くの課題が未解決です。脳神経外傷は全身的な外傷の一部でもあり、脳神経外科医による手術だけでなく、救急医等による病院前医療や救急外来における外傷初期診療、神経集中治療管理なども予後改善には極めて重要です。これは、日本脳神経外傷学会認定専門医の受験資格として、脳神経外科専門医に加えて救急科専門医に門戸が開かれている理由の一つでもあります。このような点を踏まえて、脳神経外傷の研究と臨床の現場の「最前線」にいる会員の皆さまに学際的・集学的な研究発表と議論をいただくため、「Front line of Neurotraumatology」のテーマを掲げさせていただきました。企画にはプログラム委員の皆さまの意見をいただき、特別講演、教育セミナー、ランチョンセミナー、シンポジウムなどに反映させる予定です。脳神経外傷についての多くの演題をご応募いただき、明日からの診療に役立てていただければと思います。

 また、医師のみでなく、看護師、救急救命士、行政など多様な関係者にもお集まりいただき、意見を交換できればと考えております。

 今回の会場は東京の中心にあり、皇居の内濠や北の丸公園に隣接した歴史ある旧九段会館の外観を保存しながら新築された九段会館テラスにて、対面での開催を予定しております。参加される全ての皆さまにとって実りある学術集会とする所存ですので、関係される若手医師、看護師、救急救命士などのメディカルスタッフの皆さまも広くお誘い合わせの上、ご来場いただければ幸いです。